「体重は標準、BMIは22前後。でもなぜかお腹だけポッコリ…」そんな悩みを抱える人は少なくありません。 実はこれ、内臓脂肪や筋肉量の低下が関係していることが多く、その原因のひとつが過度なダイエットです。
今回は、糖質制限・脂質制限・置き換えダイエットと「ぽっこりお腹」の関係を解説します。

■BMIが正常でもお腹が出るのはなぜ？

BMI（体格指数）は体重と身長の比率だけを見るため、体脂肪の分布まではわかりません。
厚生労働省の調査でも、BMIが正常範囲でも内臓脂肪が多い「隠れ肥満」の人は一定数存在します。 特に、筋肉量が少ないと基礎代謝が下がり、お腹周りに脂肪がつきやすくなります。

原因1：過度な糖質制限

短期間で体重は落ちるが…

糖質を大幅に減らすと、最初は体内の水分と筋グリコーゲンが減るため急激に体重が落ちます。 しかし、長期間続けると筋肉の合成に必要なインスリン分泌が減り、筋肉量の低下→基礎代謝ダウンという流れに。

研究でも指摘

日本人を対象とした栄養疫学研究では、極端な低糖質食は筋肉量の減少と内臓脂肪の増加リスクが高まる傾向が報告されています。

原因2：過度な脂質制限

脂質は「悪者」ではない

脂質はホルモンの材料であり、脂溶性ビタミン（A・D・E・K）の吸収にも必要です。
極端に脂質を減らすと、ホルモンバランスが崩れ、筋肉の合成や脂肪燃焼効率が落ちます。

脂質制限とぽっこりお腹

脂質が不足するとエネルギー不足を補うために筋肉が分解され、内臓脂肪が優先的に蓄積されやすくなることが知られています。

原因3：置き換えダイエット

栄養バランスの欠如

スムージーやドリンク、低カロリー食品への置き換えは、摂取カロリーを減らせてもタンパク質やミネラルが不足しやすくなります。
タンパク質不足は筋肉量の減少を招き、結果的にお腹周りに脂肪がつきやすくなります。

リバウンドリスク

国の健康・栄養調査でも、極端な食事制限をした人ほど1年以内に体重が戻る割合が高く、特に腹囲の増加が顕著という結果が出ています。

■ぽっこりお腹を解消するためのポイント

1. タンパク質をしっかり摂る
   　体重1kgあたり1.2〜1.6gのタンパク質を目安に、肉・魚・卵・大豆製品を毎食に。

2. 糖質・脂質はバランスよく
   　糖質は全粒穀物や野菜、脂質はオリーブオイルやナッツなど良質なものを選ぶ。

3. 筋トレで内臓脂肪を減らす
   　スクワットやプランクなど、大きな筋肉を使う種目を週2〜3回。

4. 有酸素運動もプラス
   　ウォーキングや軽いジョギングで脂肪燃焼効率をアップ。

■まとめ：正しい食事と運動で「見た目痩せ」へ

• BMIが正常でもお腹が出るのは筋肉量の低下と内臓脂肪の蓄積が原因

• 過度な糖質制限・脂質制限・置き換えダイエットは筋肉量を減らし、ぽっこりお腹を招く

• 栄養バランスを整え、筋トレと有酸素運動を組み合わせることが解決の近道

体重計の数字だけにとらわれず、「見た目」と「機能的な体づくり」を意識することが、本当の意味での美しい体型への第一歩です。

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