■昔の「添加物=悪」のイメージ
「食品添加物」と聞くと、体に悪い、避けた方がいいと感じる方は多いでしょう。
特に1970〜90年代頃は、食品の安全性に対する意識が急速に高まり、「無添加」「自然食品」ブームが起きました。
当時は保存料や着色料が多く使われ、見た目や日持ちを優先した商品が目立っていたこともあり、“添加物=危険”という印象が強く残った時代でした。
■企業努力で変わり始めた食品の中身
しかし、ここ10〜20年ほどで、日本の食品業界は大きく変化しています。
消費者の健康志向の高まりや、SNS・ネット情報による透明性の向上を受け、多くの企業が「できる限り添加物を減らす」方向へ舵を切りました。
例えば、コンビニのおにぎりや弁当、パン、ドリンクなども、昔に比べて無添加・減添加の表示が増えています。
「保存料不使用」「着色料不使用」「香料控えめ」など、原材料表示を見ても変化がはっきり分かるようになっています。
■なぜ添加物を減らせるようになったのか
添加物を減らすことができるようになった背景には、「技術の進歩」と「物流の改善」があります。
-
冷凍・冷蔵技術の向上:長期保存のために使っていた防腐剤が不要になりつつあります。
-
包装技術の進化:真空パックや密閉包装により、酸化を防いで品質を保てるようになりました。
-
輸送スピードの向上:新鮮な状態で店舗に届けることが可能になり、保存料の必要性が低下しました。
つまり、「添加物で守る必要があった食品」を、「技術で守れる食品」に変えてきたのです。
■それでも「ゼロ」にはならない理由
ただし、全ての添加物が悪いわけではありません。食品の品質や安全を守るために、必要最小限の添加物は今も使われています。
たとえば、
つまり、現代では「危険な添加物を使う時代」ではなく、「安全性を確認した上で必要最小限を使う時代」に変わってきたといえるでしょう。
■消費者も“選ぶ力”を持つ時代へ
企業努力だけでなく、私たち消費者側も「原材料を見て選ぶ」意識を持つことが重要です。食品ラベルには、使用されている添加物がすべて記載されています。名前を見て不安を感じるものもありますが、厚生労働省が安全性を確認した上で使用が許可されているものです。
過度に怖がるよりも、日常的に「どんな成分が入っているか」を知ることが健康管理の第一歩です。
■まとめ
昔と比べると、日本の食品業界は確実に「安心・安全」へと進化しています。
添加物をゼロにするのではなく、必要な範囲で使いながら、おいしさと品質を両立させる方向に努力が重ねられています。
企業の工夫と技術の進歩、そして消費者の意識の向上。
この両輪が合わさることで、日本の食品はこれからもより健康的で信頼できるものへと進化していくでしょう。