朝、目覚ましが鳴って「あと5分だけ…」と再び眠りにつく。
誰もが経験のある“二度寝”。少しのつもりが気づけば30分、1時間と過ぎてしまい、慌てて起きることもあるでしょう。
一見「もう少し眠れて気持ちいい」と感じますが、実はこの“二度寝”、体と脳のリズムに大きな影響を与えることがあります。
今回は、二度寝のメリットとデメリット、そして健康的に付き合う方法を解説します。
■二度寝でスッキリするのは錯覚?
一度目覚めた後に再び眠ると、脳は再び「睡眠サイクル」を最初からスタートさせようとします。
本来、睡眠は「ノンレム睡眠(深い眠り)」と「レム睡眠(浅い眠り)」を約90分周期で繰り返しています。
ところが、二度寝ではこのサイクルが途中で中断され、浅い眠りの途中で無理やり起きることになるため、眠気やだるさが強く残るのです。
つまり、二度寝で「気持ちいい」と感じるのは一瞬の快感であり、脳は混乱し、自律神経のリズムが乱れることが多いのです。
■二度寝が引き起こす不調
朝起きてから二度寝を繰り返す生活を続けると、次のような不調が起こりやすくなります。
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日中の集中力・記憶力の低下
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頭痛や倦怠感
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自律神経の乱れによる冷え・不眠
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ホルモンバランスの崩れ
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体内時計のズレによる夜の寝つきの悪化
特に、朝の光を浴びる時間が遅れると、体内時計が後ろ倒しになり、夜型生活になりやすくなります。これにより、睡眠の質が下がり、疲れが取れにくくなるという悪循環に陥るのです。
■実は“短い二度寝”は悪くない?
とはいえ、すべての二度寝が悪いわけではありません。
たとえば「目覚ましで一度起きて、5〜10分だけ目を閉じる」程度であれば、心身を落ち着かせるリラックスタイムになります。
ポイントは**「深く眠らないこと」**。
起き上がって軽くストレッチをしたり、カーテンを開けて朝日を浴びた状態で横になると、睡眠ホルモンの分泌が抑えられ、再び深く眠り込むのを防ぐことができます。
■二度寝したくならない朝の工夫
二度寝を防ぐには、「眠気を残さない起き方」を整えることが大切です。
こうした習慣を続けることで、「朝の目覚めがスッキリし、二度寝したい気持ちが減る」ようになります。
■まとめ
二度寝は気持ちよさそうに思えても、実は体や脳にとっては混乱のもと。
長時間の二度寝は、自律神経の乱れや睡眠リズムの崩れを招き、慢性的な疲労感につながります。
ただし、5〜10分程度の“浅いまどろみ”であれば、心を落ち着け、ストレスを和らげるプチ休息にもなります。
つまり大切なのは、「時間」と「質」。
今日からは“寝直す”のではなく、“静かに目を閉じて深呼吸する”ような、上手な朝の過ごし方を意識してみましょう。