パーソナルジムアレクシー　名古屋市東区泉店代表のエイトです。

「ダイエットや血糖コントロールには低GI食品がいい！」
こんな言葉を一度は聞いたことがあると思います。
確かにGI値（グリセミック・インデックス）は広く知られていますが、実はGI値だけでは血糖値の影響を正確に評価できないことが近年の研究でわかっています。

1️⃣ GI値とは？

GI値とは、食品に含まれる糖質が体内でどれくらいの速度で血糖値を上げるかを示す指数です。
ブドウ糖を100として比較し、70以上が高GI、56～69が中GI、55以下が低GIとされています。
例えば、白米は高GI（80程度）、玄米は中GI（55程度）といった具合です。

日本では農林水産省や糖尿病学会の資料にもGI値は頻繁に引用され、ダイエット指導でもよく用いられています。

2️⃣ でもGI値には「落とし穴」がある

GI値の落とし穴は、食品に含まれる糖質量の違いを考慮していないことです。
GI値はあくまでも「50gの炭水化物を含む量を食べたときにどれくらい血糖値が上がるか」という実験値です。
そのため、同じ50gの糖質を摂るのに必要な食品の量は大きく異なります。

たとえば、にんじんはGI値が80前後で高GI食品に分類されますが、にんじん1本あたりの糖質量は非常に少ないため、 実際に1回の食事で血糖値に与える影響は大きくありません。
これを誤解して「にんじんは太る！」と避ける人がいるのは、GI値の限界を示す典型例です。

3️⃣ GL値とは？

そこで注目されているのがGL値（グリセミック・ロード）**です。
GL値は、GI値に加えてその食品に含まれる糖質量を加味して計算されます。
計算式はとてもシンプルで、

GL値 = GI値 × （1食あたりの糖質量（g） ÷ 100）

たとえば、にんじんの場合、GI値は80ですが、1食で摂る糖質量が5gなら、GL値は4になります。
これは非常に低い数値で、血糖値への影響はほとんどないことを示します。

4️⃣ GL値の方が信用できる理由

2002年にハーバード大学のサロメ・アスティカ博士らが発表した大規模研究では、 GL値の高い食事を続けると糖尿病や肥満のリスクが高まることが報告されました（Willett WC et al., American Journal of Clinical Nutrition, 2002）。

また、国立国際医療研究センターでも、糖尿病予防の食事指導ではGL値を重視する流れが近年強まっています。

つまり、GI値だけを見ると誤解を生む可能性があるが、GL値は「実際にどれだけ血糖に影響を与えるか」をより現実的に示すと言えます。

5️⃣ どんな食品が低GLなのか？

一般的に、全粒穀物、野菜、豆類、ナッツ類などはGL値が低くなりやすいです。
同じ炭水化物でも、白米や食パンは高GIでかつ高糖質なのでGLも高くなりがちです。

例えば：

• 白米：GI 80、1膳の糖質 55g → GL = 44

• にんじん：GI 80、1本の糖質 5g → GL = 4

• 玄米：GI 55、1膳の糖質 55g → GL = 30

このように、同じGIでも糖質量が変わると血糖値への影響は大きく異なります。

6️⃣ まとめ｜選ぶなら「低GL食品」

✅ GI値だけでは血糖値への影響を正確に測れない
✅ GL値は「その食品が実際にどれだけ血糖値を上げるか」を示す
✅ にんじんなど「GIが高いのにGLは低い」食品は気にしすぎなくてOK
✅ 食事管理ではGI値よりもGL値を意識する方が現実的

ダイエットや血糖値管理では、食品ラベルにGI値だけを鵜呑みにせず、「糖質量」×「GI値」の視点で考えることが大切です。

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