日々の睡眠姿勢、意識していますか？
特に女性にとって、美容と健康を守るために「うつぶせ寝」は避けたほうがいいという研究や医療の見解があります。 今回は、あまり知られていない「うつぶせ寝のリスク」について、4つの観点から詳しく解説していきます。

① 顎関節症（がくかんせつしょう）のリスクが高まる

うつぶせで寝ると、顔の片側に圧がかかり、顎に不自然な力がかかります。 この状態が毎晩続くことで、顎関節に負担がかかり、「顎関節症」のリスクが高まります。
顎関節症とは、口を開けると「カクッ」と音がしたり、顎が痛んだり、開閉がスムーズにできなくなる症状です。

特に女性は男性より関節が柔らかく、小さいため、構造的にも顎関節症を発症しやすいとされています。

また、2022年に発表された日本大学歯学部の研究でも、睡眠時の姿勢と顎関節への負荷には明確な関係があることが示されており、 「うつぶせ寝を続けている人の方が顎の左右バランスが崩れやすい」という報告もあります。

② 歯並びの変化やかみ合わせへの影響

うつぶせ寝の人は、顔面に圧がかかることで、歯や顎の位置に長期的な変化をもたらすことがあります。 これは、成長期の子どもだけでなく、成人女性にも影響を与える可能性があるという報告がいくつかの矯正歯科医から出されています。

実際、睡眠中に特定の方向に力がかかることで、歯列に微細なズレが生じ、それがかみ合わせの不調和につながるというデータも存在します。

③ 顔の左右差・歪みの原因になることも

うつぶせで寝ると、顔の片側に一方向から継続的な圧力がかかるため、筋肉のバランスや脂肪のつき方に影響を与える可能性があります。

たとえば、朝起きたときに片方だけむくんでいたり、頬の高さが左右で違っていたりすることがありませんか？ それは「寝方」による影響かもしれません。

顔の筋肉は、使わない・圧をかける・伸ばしっぱなしにするなど、習慣によって形状が変わりやすい特徴があります。 美容皮膚科などでも「片方ばかり下にして寝ていると、その側だけ頬がたるむ」「法令線が深くなる」などといった指摘がされるほどです。

■④ 胸の形の崩れ・下垂につながる可能性

うつぶせ寝の姿勢では、胸が体に押しつけられた状態になります。 若い女性の場合は特に乳腺組織が柔らかく、長時間の圧力によって形が変わる可能性があります。

また、重力と圧によってクーパー靭帯（胸を支える靭帯）にダメージが加わると、胸の位置が下がったり、外側に流れたりといった形の崩れにつながります。

2021年に美容形成外科学会で発表されたデータによると、 長期的にうつぶせ寝をしている女性の方が、仰向け寝の人と比べて「乳房の形の非対称性」が多く報告されたという興味深い研究もあります。

結論：寝るときは「仰向け」か「横向き」がおすすめ

美容と健康のためには、「仰向け」または「横向き（左右交互）」で寝るのがベストです。

仰向けは体全体のバランスが整いやすく、顔や顎、胸への圧がかからないため、美容にとっても理想的。 一方で、横向きは無呼吸症候群のリスクを避けやすく、いびきが気になる方にも向いています。

もし、うつぶせ寝がクセになっている方は、 抱き枕を活用したり、背中にクッションを入れるなどして矯正する方法も検討してみてください。

■まとめ

普段あまり意識されない「寝る姿勢」ですが、実は美容や健康に大きな影響を与えています。
特に女性にとって「うつぶせ寝」は、顎・歯・顔・胸といった重要な部位に負担をかけてしまいます。
何気ない習慣が、数年後の見た目や健康に差を生むこともあるからこそ、今日から意識して、寝姿勢を見直してみてくださいね。