ハムやベーコン、ソーセージなどの加工肉。
忙しい朝やお弁当にも便利で、私たちの食卓に欠かせない存在ですよね。
しかし、この中に含まれる「亜硝酸ナトリウム」という添加物が、
一部の成分と反応して発がん性のあるニトロソアミンを生み出すことがあると聞いたことはありませんか?
実は、この危険な反応を抑える“天然の守り神”が――ビタミンCなんです。
■ なぜニトロソアミンができるの?
加工肉には、見た目を良くし、保存性を高めるために亜硝酸ナトリウムが使われています。
一方で、肉や魚にはアミン類という、タンパク質が分解されてできる成分が含まれています。
この2つが加熱や酸性環境(胃の中など)で反応すると、
「ニトロソアミン」という有害物質が生成されることがあります。
ニトロソアミンは、世界保健機関(WHO)の研究でも発がん性の可能性が高いとされ、
長期的に多く摂取することで、肝臓がんや胃がんのリスク上昇と関連すると報告されています。
■ ビタミンCがニトロソアミン生成を防ぐ仕組み
では、なぜビタミンCが有効なのでしょうか?
ビタミンC(アスコルビン酸)は、還元作用が非常に強い抗酸化物質です。
亜硝酸ナトリウムがアミンと反応してニトロソアミンをつくる前に、
ビタミンCがその亜硝酸を無害な窒素化合物に変化させてしまうのです。
つまり、ビタミンCは化学的に“先回り”して、
ニトロソアミンの生成を防いでくれる働きをしてくれるわけです。
そのため、実際に食品メーカーでも
「亜硝酸ナトリウム+ビタミンC(またはその誘導体)」
という組み合わせで安全対策を行っている製品が増えています。
■ 食事で取り入れたい「ビタミンC食品」
ビタミンCは加熱に弱いため、生で食べるのがおすすめです。
加工肉を食べるときは、以下のような組み合わせを意識しましょう。
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パプリカ・ブロッコリー・キャベツ
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キウイ・オレンジ・いちご
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レモンを添えたサラダやドレッシング
たとえば「ベーコンエッグ+生野菜サラダ+キウイ」など、
ほんの少しの工夫で、体に優しい食事バランスが整います。
■ ビタミンCは“防御”と“修復”のダブル効果
ビタミンCには、ニトロソアミン生成を防ぐだけでなく、
体内の酸化ストレスを抑え、細胞の修復をサポートする働きもあります。
そのため、ビタミンCは
「加工食品が多い現代人にこそ必要な栄養素」
と言っても過言ではありません。
■ まとめ
便利な食品を安心して楽しむためには、“組み合わせの知恵”が大切です。
ビタミンCは、私たちのカラダを見えないところで守る、
まさに天然の化学防御シールドなのです。