寒い季節や冷房の効いた部屋に入ったとき、お風呂上がりに「ゾクッ」と寒気を感じた経験はありませんか?
実はこの気温差が、身体に大きなストレスを与えています。
入浴によって体温が一時的に上昇した後、急激に冷えると自律神経のバランスが崩れやすくなり、疲労感やだるさ、肩こり、冷えの原因になることもあります。
お風呂上がりは「リラックスしている時間」と思われがちですが、実は身体の内部では体温調整のためにフル稼働しているタイミングでもあるのです。
■気温差による自律神経の乱れ
人間の身体は「交感神経」と「副交感神経」のバランスによって体温をコントロールしています。
入浴中は副交感神経が優位になり、リラックス状態に入ります。
しかし、湯上がりに急に冷えた空気に触れると、今度は交感神経が急激に働き始めます。
急な切り替えが、体のだるさや頭痛、寝つきの悪さの原因になることがあります。
特に夏場のエアコンの効いた部屋や、冬の寒い脱衣所などは要注意。
5℃以上の気温差があると、血圧や心拍数も急変し、心臓への負担も増すといわれています。
■湯冷めを防ぐポイント3つ
お風呂上がりの気温差による不調を防ぐために、簡単にできるケアを紹介します。
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脱衣所を暖かく/涼しくしておく
冬はヒーターなどで事前に暖め、夏は冷房を直接当てないようにすることが大切です。
気温差をできるだけ小さく保つことが、体温変化の負担を減らします。
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入浴後はすぐに保温を意識
湯上がり後は水分を拭き取ったらすぐに服を着るかバスタオルを巻き、特に首・お腹・足首を冷やさないようにしましょう。
靴下を履くのも効果的です。
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温かい飲み物で内側から調整
常温または少し温めた白湯やハーブティーなどで内側から温めてあげると、体温の安定が早まります。冷たい飲み物は逆効果です。
■入浴後30分は“体温調整タイム”
お風呂上がりは体温が一時的に上がり、約30分ほどかけてゆっくりと元の温度に戻ります。
この時間に冷たい空気や強い冷房風に当たると、体温が急降下し、風邪や倦怠感につながることがあります。
逆に、うまく体温をキープできれば、血流が促進され、睡眠の質も高まります。
夜にぐっすり眠れるかどうかは、この「体温の下がり方」にも関係しているのです。
体温が緩やかに下がると、眠気を誘うホルモン「メラトニン」が分泌され、自然に深い眠りに入りやすくなります。
■まとめ
お風呂上がりは、身体が温まっているからといって油断は禁物。急な気温差は自律神経や血管に負担をかけ、健康トラブルの引き金にもなります。
ポイントは、「脱衣所や部屋との温度差を減らす」「湯冷めを防ぐ」「内側から温める」。
この3つを意識するだけで、お風呂のリラックス効果をしっかりと身体に活かすことができます。
お風呂上がりの快適さを守ることは、そのまま“次の日のコンディション”を整えることにもつながります。
毎日の入浴後、ほんの少しの工夫で、身体も心もより健やかに整えていきましょう。